病院の「困った」に、最初に思い出してもらえる存在へ
~病院営業の専門家「ホスピタルマスター」として地域医療をつなぐ~
東北アルフレッサ 医薬営業本部 秋田営業部 秋田支店 営業二課 主事 佐藤仁一さん
現在の仕事内容を教えてください。
医薬品の安定供給に努め、必要とされる薬を医療現場へお届けすることが基本です。医薬品は患者さんの体に入るものですから、品質を守って届けることにも強い使命感を持っています。
現在は、ホスピタルマスターとして秋田市内の中核病院を担当しています。薬剤部だけでなく、医師、看護師、検査技師、医事部門、地域医療連携を担う部署、さらには病院長などの経営層まで、病院内のさまざまな方とお会いします。
最初は「医薬品卸の営業が、なぜこの部署に?」という反応を受けることもありました。それでも、相手が何に困っているのかを丁寧に聞き、当社グループのデジタルサービスや製薬企業などとのネットワークを活用した提案を重ねることで、少しずつ相談していただけるようになりました。
病院と地域の診療所をつなぎ、患者さんがより早く、適切な医療を受けられる環境をつくることも大切な仕事です。
これまでで印象に残っている仕事は何ですか?
新型コロナウイルス感染症の流行下で、あるクリニックの感染対策を支援したことです。提案した機器は数千万円規模だったため、製品の特徴を説明するだけでは導入に至りません。院長や税理士の方とも話し合い、減価償却や資金計画、診療現場への効果を学びながら、約1年かけて課題解決の方法を一緒に考えました。この経験から、医療機関の課題を解決するには、医薬品だけでなく、医療機関の経営や関連制度についても理解する必要があると学びました。
医療機関から寄せられる相談に迅速に対応する佐藤さん
仕事をする上での転機は何でしたか?
入社数年目のころ、4人いた私の課が、退職などによって私と後輩の2人になったことです。しかも会社の合併を控えた時期で、課長が担当していた医療機関や製薬企業との仕事も引き継ぐことになりました。
当時の私は、自分の売上数字を上げることに精いっぱいでした。しかし、課長の退職を知り、不安そうな後輩の姿を見て、「自分が支えなければ」とスイッチが入りました。
もちろん不安はありました。それでも、支店長から「任せた」と言われたことが、大きな勇気と覚悟につながりました。他の課のメンバーや上司の支援を受けながら、後輩とともに半年ほどの難局を乗り切りました。
この経験から、自分の成績だけでなく、周囲の状況や気持ちを見ることの大切さを学びました。現在、秋田県内の他の病院の担当者とともに活動し、チーム全体の力を高めようとしています。原点はこの経験にあります。
支店の医療機器担当メンバーとも連携し、病院の課題解決につながる提案を検討
現在感じている課題と、これから挑戦したいことを教えてください。
今の課題は、自分一人の経験や人脈に頼るのではなく、病院営業の知識とノウハウを組織の力に変えていくことです。まずは、病院の方から「困ったことがあったら、東北アルフレッサの佐藤さんに聞いてみよう」と思っていただける存在になりたいです。
ただし、私一人が頼られるだけでは十分ではありません。自分が得た知識や活動方法を県内の他の病院担当者と共有し、同行訪問も行いながら、会社全体として病院から相談され、課題解決に貢献し続けることを目標にしています。
この仕事への思いの原点には、高校卒業時に経験した東日本大震災があります。「生まれ育った地域に貢献できる仕事がしたい」と考え、医療に関わる道を選びました。医療従事者や人口が減少していくなかでも、地域の医療を止めない。そのために病院、診療所、調剤薬局、製薬企業、行政をつなぎ、患者さんのより早い治療につなげていく。ホスピタルマスターとして、自分なりの病院営業の形をつくり、それを仲間へ広げていきたいと思っています。
上司から見た佐藤さん
東北アルフレッサ 医薬営業本部 秋田営業部 秋田支店 支店長 馬場学さん
「今後の病院活動のキーパーソン」
佐藤主事は、ホスピタルマスター(HM職)として病院内の各部署や経営層と信頼関係を築きながら、現場の課題解決に取り組んでいます。相手の話に真摯に耳を傾け、多様な関係者をつなぎながら最適な提案を考え抜く姿勢は、周囲からの厚い信頼につながっています。これからも自ら培った知識や経験を仲間と共有し、病院営業の新たな価値創造をリードしてくれることを期待しています。
「困ったときに思い出してもらえる存在」を目指し、地域医療に貢献し続けます。